オートメーションシステム対応のZE5 Cell Analyzerで生産性を最大化
表現型創薬スクリーニング、治療用抗体スクリーニングおよびがんのバイオマーカーの発見などには、多くの場合、毎日数百から数千のサンプルを処理する必要があります。これらの多項目かつ大規模アッセイでは、自動化システムと統合できるハイスループットで多パラメーターのフロ―サイトメーターによる測定により、効率化することが可能です。
ZE5 Cell Analyzerは単に多項目測定可能なフローサイトメトリーではありません。優れた性能と比類ない柔軟性を備えた高い生産性を実現する待望のソリューションです。
自動化に最適なフロ―サイトメーター
- ハイスループット対応の機器とソフトウェア
- オートメーションシステムと統合することにより最大の生産性を実現
- 24時間365日の稼働
- 妥協のないデータ品質と高速分析
- 優れたアッセイデザインと機器の柔軟性
データ品質を妥協することなく発見をスピードアップ
100,000 EVENTS per second
データ損失や解像度の妥協なく
ひとりで24時間/週7日間稼働
大容量送液タンクを使用
96-well plates in < 15 min
384-well plates in < 50 min
HTSをキャリーオーバーを抑えながら高速に
SAVE Time
ルーチン実験用の柔軟なデータ・インポートオプション
効率的で柔軟なサンプル処理
- 内蔵されたサンプルローダーを使用して、簡単にチューブラックとプレートを乗せ換えて使用できます。
- 内蔵の温度制御機能と楕円撹拌機を使用して、長時間のスクリーニングでもサンプル状態を維持
- 10μl未満の容量でサンプリングできるZE5のサンプルローダーにより、貴重なサンプルを節約
- サンプルプローブの自動高さ調整機能により、V底384ウェルプレートからデッドボリュームを最小限に抑えたサンプリングを可能にします。
インキュベーターやLIMSへのシームレスな統合
- インキュベータ等と統合されたロボットによりプレートロードを自動化。
- API(Application Program Interface)を介してZE5 Cell AnalyzerとLIMS及びオートメーションシステムのスケジューリングソフトウェアを統合します。
- 有名なオートメーションベンダーでのシステムアップの実績があります。
HTフレンドリーなソフトウェア
- 専用のハイスループットモードにより、ユーザーの指示なしに高速分析が可能。
- データファイル(FCS3.1)と統計処理のための複数のエクスポートオプション。
- ヒット検出とヒートマップ機能によりプレート全体のターゲットを迅速に視覚化。
大容量送液タンクアップグレードによる24時間/365日の稼働
- 20Lの水位感知機能付き外部送液タンク。
- シース液として、実験室の脱イオン生成装置とZE5を直結することにより、給水不要での稼働が可能。
ZE5 Cell Analyzerの詳細をご参照ください。
ZE5の内部の仕組みやハイスループット分析に最適化されたフローサイトメトリーの利点についてご説明しています。
ZE5 システムツアー ZE5 Cell Analyzer カタログ ZE5 Cell Analyzer 製品詳細Flow Cytometry Antibody Screening and Characterization
英語版はこちらフローサイトメトリーは、抗体スクリーニング分野で重要な技術です。ハイスループット・フローサイトメトリーは、標的抗原に結合する抗体クローンを同定するために、プロセス全体を通して使用することができます。HuCAL®抗体作製プロセスにフローサイトメトリーを適用することで、フローサイトメトリーでの使用に適した抗体を選択する可能性を高めるように調整することができます。第一段階として、固定化抗原を用いたELISAに代えて、フローサイトメトリーを用いて抗原発現細胞上でライブラリパンニングから選択した抗体の一次スクリーニングを行うことができます。ハイスループットスクリーニングは、384ウェルフォーマットの抗体含有大腸菌ライセートを用いて行われます。陽性と判定された抗体は、配列決定、選択したFab抗体フォーマットでのクローニング、精製を経て、関連する細胞でのフローサイトメトリーで確認することができます。
このサービスの一環として、バイオ・ラッドはマルチプレックスアッセイをセットアップし、1つのウェルで複数の異なる細胞集団に対して一次スクリーニングと最終特性評価を実施することができます。異なる細胞集団の蛍光バーコーディングがこれを可能にします。
フローサイトメトリー用陽性抗体の選択プロジェクト例
このプロジェクトの目的は、ヒトのPOI(protein of interest)、および任意でマウスのホモログにも結合するFab抗体を選択することでした。スクリーニングは、異なる抗原を発現する4つのヒト細胞集団で実施されました。4つの細胞タイプは、マルチプレックスアッセイを可能にするために、蛍光バーコードを使って互いに区別されました。蛍光バーコーディングは、真核細胞を低濃度のカルセインAM(CAM)で内部標識することで機能します。非蛍光性のCAMは、細胞内のエステラーゼにより加水分解され、緑色蛍光性のカルセインに変換されます。
図2. HuCAL Fab抗体による細胞のフローサイトメトリー一次スクリーニング。濃い色のウェルは、抗体候補と標的細胞との結合を表す。
この例では、フローサイトメトリーとELISAによる一次スクリーニングを比較しました(図3)。結果の重複が少ないことから、フローサイトメトリーに適した抗体を同定する確率を大幅に高めることができるため、アプリケーションに特化したスクリーニングが重要であることがわかります。
図3. フローサイトメトリーおよびELISAによる一次スクリーニング結果の比較。上:フローサイトメトリースクリーニングでは、ヒトPOIを発現する細胞への結合を示す93の抗体候補が同定されました。下: ELISAスクリーニングでは、固定化したPOIに結合する抗体候補はわずか15種類でした。
精製した抗体の特性をフローサイトメトリーで確認しました(図4)。その結果、抗体1は目的のヒトおよびマウスタンパク質の両方を認識し、抗体2および3はヒトタンパク質のみを認識することが示された。
図4. 精製抗体のフローサイトメトリーによる特徴づけ。異なる抗原を発現する4つの細胞集団を、濃度を下げていくCAMを用いた蛍光バーコードで染色した。並行して、細胞をPOIに対する精製Fab抗体とインキュベートした。
まとめ
- フローサイトメトリーによるスクリーニングで、アプリケーションに特化した抗体の同定確率が高まる
- 固定化した抗原の代わりに細胞を用いてハイスループットなスクリーニングを行う。
- 蛍光バーコーディングにより、1つのウェルで最大4つの異なる細胞集団のマルチプレックス化が可能